「神々が住む神聖な山」として仰がれるヒマラヤには、標高8,000mを超える巨峰が14座あるが、エベレストを初め、そのうちの8座はネパールにある。
平地の亜熱帯ジャングルから、世界の屋根と言われるヒマラヤ山脈まで、変化に富む環境の中で多くの民族が暮らすネパール。
首都であるカトマンズゥは、ヒマラヤ山脈の南麓に位置する標高1,300m程のカトマンズゥ盆地にある。
古くから工芸に優れたネワール族が多く暮らし、かってはカンティプール(栄光の都)と呼ばれ、華麗な装飾の寺院が多く残されているカトマンズゥ盆地は、ユネスコの世界遺産にも登録されている。
また、「人よりも神々が多く住む町」とも言われるほど、世俗的で魅力的な神々が多いネパールで、カトマンズゥに住む人々の日常生活には信仰が深く結びついていて、街中の何気ない道端や辻、山道などには、様々な神を祭った祠やお堂が多く設けられていて、参拝する人は多い。
ネパール国民の宗教は、ヒンドゥー教徒が80.6%、仏教徒10.7%、イスラム教徒4.2%、その他(2001年国勢調査)となっているが、個人の中でも、ヒンドゥー教と仏教が混在、融合している場合もあり、複雑である。
本格的な憲法の制定が実現しないなど政局が安定せず、経済的にも決して恵まれているとは言えない彼らは、いったい何を祈っているのだろうか?
ヒンズゥにとっての生き方、人生観でもある四住期は、複雑で難解であるが、私なりの簡単な解釈(暴論かも知れません)を記してみます。
★学生期
上位3カーストの子供は10歳前後で入門式を経て、師(グル)に就いて勉強 を始める。
これによって、それぞれのカーストの一員として承認され、宗教的、社会的に 生まれ変わり、ヒンズゥとしての本当の人生が始まる。
★家住期
一般的な社会生活、例えば結婚して子供を作り、商売をしてお金を儲けて多く の喜捨をする、などの期間。
四住期の中で最も重要な期間とされる。
★林住期
解脱に至るために修行を始める期間。家督を息子に譲り、林の中に住んで禁欲と清浄の日々を送る。
始めるのはいつで も良く、自分で思い立った時。例えば死ぬ直前でも良い。
解脱に至る事ができなければ、輪廻転生の輪から抜けることができず、未来永劫、生まれ変わって修行しなければな らない。
★遊行期
林住期によって、欲望や執着を捨て去った状態。解脱に至り、ブラフマン(宇宙の真理)とアートマン(本当の自我)が一体 となった時、全てが可能になり、誰も経験した事がない、素晴らしい世界を体験することができる。
サドゥは、学生期を終えて家住期に入らず、直接、林住期に入って解脱を得るための厳しい修行をする人で、一般人には奇行、奇抜な格好と映る事が多い。
厳しい修行によって超能力を得た、と称して披露し、観光客などからお布施を得る怪しいサドゥも多いようだ。
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